ネットショップ運営において、商品の発送方法は売上や顧客満足度に直結する重要なポイントです。その中でも注目されているのが、日本郵便が提供する「クリックポスト」という配送サービスです。
クリックポストは、全国一律料金で小型商品を簡単に発送できるサービスで、ECサイトを運営している多くの事業者に利用されています。特に、アパレル雑貨や文房具など、ポスト投函できる小型商品の発送に最適です。
本記事では、ECサイト運営者にとって頼れる発送手段であるクリックポストの特徴やメリット、利用方法までをわかりやすく解説します。
クリックポストの特徴
クリックポストは、日本郵便が提供する小型荷物向けの配送サービスで、全国一律料金・自宅でのラベル発行・ポスト投函など、手軽に使える点が特徴です。
そのため、ECサイトを運営する企業や個人事業主、さらにはフリマアプリの利用者まで、幅広い層に利用されています。ただし、他の配送サービスとは異なる条件や仕様もあるため、事前に特徴をしっかり把握しておくことが大切です。
クリックポストの主な特徴は以下の通りです。
特徴 | 内容 |
---|---|
全国一律185円 | 日本全国どこでも、税込185円で発送可能。距離による料金の変動がない。 |
オンライン決済 | Yahoo!ウォレットまたはAmazon Payで発送料を決済。切手や現金不要。 |
ラベル印刷が簡単 | 宛名ラベルは手書き不要。オンラインで入力・決済後、自宅で印刷可能。 |
ポスト投函OK | 郵便ポストから発送可能。郵便局へ行く必要なし。365日いつでも投函可。 |
郵便受けに配達 | 受取人が不在でも、郵便受けに配達されるため受け取りの手間が省ける。 |
追跡サービス対応 | 日本郵便の「追跡サービス」で配送状況の確認が可能。問い合わせ番号あり。 |
このようにクリックポストは、コストと手間を削減できる効率的な発送手段として、EC運営者にとって非常に実用的なサービスです。
クリックポストの使い方
クリックポストを利用する際に知っておきたい基本的なポイントとして、料金・配送日数・荷物サイズの3点があります。それぞれの内容を詳しく解説します。
料金:全国一律185円でコストを抑えられる
クリックポストの送料は、全国一律で税込185円です(※2022年7月20日に198円から値下げ)。この料金設定は、ECサイト運営者やフリマアプリの出品者にとって大きなメリットとなっています。
同じようなサイズの荷物に対応している他社の配送サービスと比べても、クリックポストは比較的低価格で、コストを抑えながら全国へ商品を届けられる点が強みです。
配送日数:目安は1〜2日、土日祝も配達対応
クリックポストの配達日数は、通常発送日の翌日〜翌々日程度が目安です。日本郵便の通常郵便と同様、土曜日・日曜日・祝日も配達が行われています。
ただし、以下のような場合は配達に時間がかかる可能性があるため注意が必要です。
- 発送元と届け先の距離が遠い(例:北海道から九州など)
- 離島などの一部地域
- 年末年始や大型連休など、物流が混雑する時期
確実に早く届けたい場合は、他の配送サービスを検討することも視野に入れると良いでしょう。
荷物サイズ・重量:ポスト投函できる範囲に制限
クリックポストでは、届け先の郵便受けに入るサイズ・重量であることが条件です。
対応するサイズは以下のとおりです。
項目 | 規定サイズ |
---|---|
長さ | 14〜34cm |
幅 | 9〜25cm |
厚さ | 3cm以内(緩衝材含む) |
重量 | 1kg以内 |
- 最小サイズ(14cm × 9cm)を下回る場合は発送不可
- 専用宛名ラベルを貼るスペースを確保して梱包しましょう
小さな商品の場合でも、サイズを満たす封筒やダンボールを使用し、厚さや強度にも配慮することが大切です。
クリックポストの2つのメリット
クリックポストは、他の配送方法と比べてコストや利便性の面で優れた点が多くあります。
特に、EC事業者や個人出品者にとって大きなメリットとなるのが、次の2点です。
土日や祝日でも発送が可能
クリックポストは、郵便ポストへの投函によって365日いつでも発送できる点が大きな魅力です。郵便局の集荷は土日・祝日も行われているため、平日に時間が取れない場合や急ぎの発送にも対応できます。
たとえば、「週末に注文が入った商品をすぐに発送したい」「営業時間外でも対応したい」といったケースでも、ポスト投函だけで手続きが完了するため、柔軟でスピーディーな発送が可能です。
スマートフォンでどこからでも利用可能
クリックポストは、専用サイトがスマートフォンのブラウザにも対応しており、PCが手元になくてもラベル作成や支払いが可能です。さらに、作成した宛名ラベルは、自宅のプリンターだけでなく、コンビニ(例:セブンイレブン、ローソンなど)に設置されたマルチコピー機でも印刷できます。
外出先で印刷を忘れたときにも対応できるので、急ぎの対応や在宅以外での発送準備にも便利です。
クリックポストの3つのデメリット
クリックポストは便利でコストパフォーマンスの高い配送サービスですが、利用にあたっては注意すべき点もあります。ここでは、事前に知っておきたい3つのデメリットについて解説します。
追跡情報が限定的で詳細まではわからない
クリックポストには荷物の追跡機能がありますが、確認できるステータスは以下の3つのみです。
- 引受(発送受付)
- 配達郵便局への到着
- 配達完了
これら以外の詳細な情報、たとえば配送途中の中継状況やトラブル(渋滞・悪天候など)は表示されません。また、追跡ステータスは即時反映ではなく、発送後24時間程度のタイムラグがあるため、発送当日は追跡情報が確認できない場合もあります。
紛失・破損時の補償がない
クリックポストには、損害補償制度がありません。荷物が紛失、破損、または汚損しても、内容物に対する補償は原則として受けられません。郵便局側の過失が明らかであった場合でも、返金対応は運賃(185円)までにとどまります。
また、以下の点にも注意が必要です。
- 速達などのオプションサービスは付加できない
- 信書・現金・貴金属・危険物などは送付不可
- 配送事故が起きた場合の内容品補償はなし
重要な書類や高価な商品を送る場合は、補償付きの配送方法を選ぶ方が安心です。
宛名ラベルは手書き不可、修正は再印刷が必要
クリックポストでは、宛名ラベルにQRコードやバーコードが印字されるため、手書きでの修正はできません。もし届け先の情報に誤りがあった場合は、再度サイトにログインし、宛名を正しく入力して再印刷する必要があります。
そのため、ラベル作成時は入力ミスに十分注意しましょう。
クリックポストの発送方法と発送できる物品
クリックポストを利用する際には、あらかじめ利用者情報の登録が必要です。
以下のステップに沿って手続きすれば、自宅にいながら簡単に発送できます。
発送手順(6ステップ)
- クリックポストにログイン
公式サイトにアクセスし、ログインします。 - 利用者情報を登録
初回利用時は、名前・住所・支払方法などの登録が必要です。 - 荷物情報を入力
宛先や発送元など、必要な情報を入力します。 - 支払い手続きを行う
Yahoo!ウォレットまたはAmazon Payで料金を支払います。 - 宛名ラベルを印刷し貼付
支払い完了後、印刷したラベルを荷物に貼り付けます。 - 近くの郵便ポストへ投函
ポストから投函するだけで発送完了です(郵便局の窓口に行く必要はありません)。
発送できる物品・できない物品の例
発送できる物と、禁止されている物を以下のように分類できます。
発送できる物品 | 内容例 |
---|---|
衣料品 | ワイシャツ、靴下など |
書籍類 | 雑誌、漫画など |
記録メディア | CD、DVDなど |
美容・健康用品 | 化粧品サンプル、サプリメントなど |
オーダーメイド品 | キーホルダー、スマホケースなど |
発送できない物品 | 内容例 |
---|---|
現金 | 紙幣、硬貨など |
貴重品 | 貴金属、宝石など |
信書 | 契約書、印鑑証明書など |
危険物 | 爆発物、毒劇物など |
その他 | 壊れやすい物品、要冷蔵・冷凍のものなど |
クリックポスト利用前の準備事項
クリックポストを利用する前には、あらかじめ支払い用アカウントとログイン情報の準備が必要です。
クリックポストのログインには、Yahoo! JAPAN IDまたはAmazonアカウントのいずれかが必要になります。また、支払い方法はどちらもクレジットカード払い限定ですので注意しましょう。
Yahoo! JAPAN ID/Yahoo!ウォレットを利用する場合
- Yahoo! JAPAN IDの取得
→ クリックポストにログインする際に必要です。 - Yahoo!ウォレット(クレジットカード払い)に登録
→ 発送料金の支払いは、Yahoo!ウォレット経由で行われます。
※ Yahoo!ウォレットの利用には、有効なクレジットカードの登録が必要です。
Amazonアカウント/Amazon Payを利用する場合
- Amazonアカウントの取得
→ クリックポストへのログイン時に使用します。 - Amazon Pay(クレジットカード払い)の利用登録
→ 送料の支払いはAmazon Payを通じて行われます。
※ Amazon Payも、クレジットカードのみの対応となっています。
クリックポスト使用時の注意点
クリックポストは便利な発送手段ですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。発送ミスやトラブルを防ぐために、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
同じ宛先に複数商品を送る場合
同一の届け先に2個の商品を送る場合でも、ラベルは1つずつ別に作成する必要があります。問い合わせ番号(追跡番号)が異なる2枚のラベルが必要となり、1件ずつ申し込み・決済を行う必要があります。
※ ラベルの複製は無効となるため、コピーして再利用することはできません。
ラベルの有効期限は7日間
発送料金の支払いが完了した日(Yahoo!ウォレット/Amazon Payによる決済)から起算して、ラベルの有効期限は7日間です。
期間内に発送を済ませないと、ラベルは無効となるためご注意ください。
決済処理は引受時に確定する
クリックポストの支払い手続きは、ラベル印刷前に与信処理(オーソリ)されますが、実際の課金処理(決済)が行われるのは郵便局で引受された時点です。
つまり、ラベルを作成・印刷しただけでは課金はされません。郵便局が引受処理を完了した段階で、正式に決済が確定します。
配送日数は距離や差出時刻で変動する
クリックポストの配達は、通常は差出日の翌日〜翌々日が目安ですが、以下のような条件により遅れることがあります。
- 発送元と届け先の距離が遠い場合(例:北海道から沖縄など)
- 離島や一部の地域
- 差出時刻が遅い場合
- 年末年始や連休などの混雑時期
確実な配達日が求められる場面では、別の配送手段を検討することも視野に入れると良いでしょう。
クリックポストの特徴と使い方をしっかり理解して、発送をもっと効率的に
クリックポストは、日本郵便が提供する小型商品の発送に特化した配送サービスです。全国一律185円という低価格で、ポスト投函・自宅でラベル印刷・追跡サービス対応など、EC事業者や個人出品者にとって非常に利便性の高い郵送手段となっています。
本記事では、クリックポストの特徴から使い方、注意点までを幅広く解説しました。初めて利用する方でも、この記事を参考にしていただければ、スムーズに導入できるはずです。
ECサイトの発送作業をもっと効率的にしたいと考えている方は、ぜひ一度クリックポストの活用を検討してみてください。