企業情報
企業名 | 株式会社BAKE |
事業内容 | 菓子の製造・販売、ECサイト運営、WEBメディア運営 |
ECサイト | 公式ショップ https://bake-the-online.com |
お取り扱い商材 | チーズタルト、アップルパイ、バターサンドなどの焼き菓子 |
販売方法 | 自社ECサイト、楽天市場、amazon、PayPayモール、LINEギフト、シャディ ギフトモール(百貨店除く) |
月間出荷件数 | 非公開 |
EC開始時期 | 2020年6月 |
LOGILESS導入時期 | 2021年4月 |
EC物流における課題 | ①受注情報のデータエラーの検出ができず、出荷遅れが発生 住所情報などのデータエラーを出荷当日まで発見することができず、対応が後手に。出荷が遅れるなど、お客さまにご迷惑をかけていた。 ②出荷作業を行う倉庫担当者に正確な情報を伝達できず、ミスが多発 セット商品や熨斗の有無、同梱物の組み合わせなど、システム上で適切に指示することができず、倉庫での出荷作業の現場が混乱。出荷までのリードタイムが長くなり、ミスも多発した。 ③正確な在庫状況をリアルタイムで把握できず、売り越し、売り逃しが発生 エクセルで管理シートを作成しないと在庫状況がわからず、ショートしないように余分に在庫を持つなど、在庫の最適化ができなかった。 |
LOGILESS導入後の成果 | ①データエラーは倉庫側に指示を出す前に、事前に検知して修正可能に 不備のあるデータは倉庫に送られる前に「確認待ち」ステータスとして止まりチェックできるように。事前に修正ができるようになり、お客さまからのクレームがほぼゼロに。 ②複雑な出荷指示が自動化され、リードタイムを11日間短縮 複雑な出荷指示もシステム上でおこなえるようになり、最適なオペレーションを実現。リードタイムを14日から3日へ短縮。 ③物理在庫を正確に把握し、在庫数のコントロールが可能に 有効在庫数がリアルタイムでわかるようになったほか、引当て振替も可能に。複数拠点の在庫をうまく運用できるようになり、配送費約3割カットにつながった。 |
取材者プロフィール
株式会社BAKE
生産物流部 部長
浅田 政和 氏
長年、飲食業界にて生産管理や物流、購買の業務に携わる。BAKEの1ブランド・1プロダクト戦略に対するSCMのハンドリングに共感し、2020年にBAKEへ入社。同社が、アフターコロナに向け事業体制を大きく変革させていくタイミングであった事もあり、ECの物流スキーム見直しをはじめとした物流の再編を担う。
株式会社BAKE
生産物流部 物流管理チーム
松岡 美里 氏
物流企業の医療・精密機器を扱う部門で配車や車輛管理を担当し、2018年末にBAKEに入社。入社後は工場の生産管理や新ブランド・店舗の立上げ業務などを経て、2020年4月からECサイトの立上げに従事し、現在もECの物流面の管理を担当している。
株式会社BAKE
生産物流部 物流管理チーム
森下 慶一 氏
菓子専門商社で約5年物流業務を経験し、2021年にBAKEへ入社。EC・卸向けの物流業務を担当。
LOGILESSを導入するまで
緊急事態宣言から2ヶ月でECサイト開設。最初は課題山積
松岡:私たちBAKE INC.は、焼きたてチーズタルト専門店の「BAKE CHEESE TART」をはじめ、バターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」など複数のブランドを国内外に展開しています。作りたてのおいしさを届けたいという想いから、ずっとリアル店舗での提供にこだわっていましたが、2020年4月、都内に緊急事態宣言が出て、焼きたての商品を提供する店舗を休業せざるを得なくなったことを機に、オンライン販売を検討。急ピッチで準備を進めて、2カ月後の6月に公式オンラインショップ「BAKE the ONLINE」をオープンさせました。
浅田:初めはとにかくスピード重視。まずは立ち上げて、運営しながら少しずつ改善していこうという方針でした。でも、いざ始めてみると、想像以上にオペレーションの課題が多くて…。
住所エラーを出荷直前までチェックできず、出荷遅れが発生
松岡:当時大きな問題だったのは、データエラーをリアルタイムに把握できなかったことです。例えば、お客さまの住所情報。お客さま側で入力漏れがあったり、環境依存文字が使われていて、CSVに書き出す際に文字化けしてしまったりして住所情報に不備が発生した際、当時は自動でアラートを出すことができませんでした。出荷時に運送会社さんのシステムに取り込んで初めてデータエラーに気付くということが発生していました。慌ててご連絡しても、お客さまからすると「今になってどうして?」という気持ちになりますし、こういったトラブルが出荷当日に発生し、出荷作業が遅れてしまうこともありました。
システム上で出荷指示がうまくできず、思うようなオペレーションが組めない
松岡:それから、熨斗や特別な包装を付けられるようにしたり、お届け指定日を設定できるようにしたり、ECサイトにいろいろなサービスを追加していったのですが、これがシステム上だと倉庫側にうまく指示できなくて。例えば、「このご注文商品にはこの熨斗をつけてください」と伝えたくても、それを記入する欄がないので、熨斗の種類ごとに商品コードを分けて指示を出していました。すると、同じ商品なのに複数の商品コードができてしまい、現場が混乱。お歳暮やバレンタインなどのギフトシーズンには日頃担当していないスタッフさんも出荷作業を手伝うので、指示が複雑になるとどうしてもミスが出てしまいます。このため、お届け指定日も14日間いただく必要がありました。
浅田:お歳暮、バレンタイン、ホワイトデーと繁忙期は松岡と二人で倉庫に入って、何とか乗り切りましたが、この体制だと出荷件数も現状で頭打ち。今後、お取り扱い件数を上げていくために物流がネックにならないよう、大きな改革が必要だと感じました。
LOGILESS導入を決めた理由
ミスを発生させないオペレーションが、システムで実現できる
松岡:LOGILESSを知ったきっかけは、当時お願いしていた運送会社さんのご紹介。「データエラーを自動で見つけられるし、倉庫との連携もスムーズになる」と勧められ、興味を持ちました。「データエラーだけでも自動で見つけられるようになったら、ずいぶん助かるな」と思いながら説明を聞いたのですが、想像以上のシステムで衝撃を受けました。
データエラーのチェックはもちろん、熨斗の有無や同梱物の入れ分け、温度帯による配送方法の振り分けなど、複雑な出荷指示が自動化できる。しかもデフォルトの機能で。これまでうまくいかなかったことが、LOGILESSで一気に解決できるイメージがわきました。
複数拠点出荷でも自動で出荷指示が出せることも大きな決め手
浅田:システムの見直しと並行して、出荷元倉庫を増やす計画も進めていました。関東と関西に倉庫を持つことで、より多くの出荷量に対応することにくわえて、物流コストを削減する狙いです。
LOGILESSには、発送エリアや店舗、商品など、いろいろな条件で出荷拠点を振り分けられる機能が備わっていたので、それも大きな決め手でした。
LOGILESSを導入してから
住所の不備や、配送対象エリア外からの注文を自動検出。タイムリーに対応可能に
松岡:いちばん問題になっていた住所情報のエラーチェックについては、完全に解決しました。LOGILESSを導入してからは、そもそも住所データをCSVに書き出す作業がなくなり、基本的には自動で倉庫さんへ出荷データが送られるようになりました。その際に入力内容に不備のあるデータや、離島などの配送対象エリア外からのご注文などについても、あらかじめ設定しておけば「確認待ち」のステータスで止めてくれるので、私たちはそれをピックアップして対応すればOK。今ではご注文の当日か、遅くても翌日にはお客さまに確認の連絡ができるようになり、サービス向上につながっています。
RPA機能で複雑な出荷指示も自動化。最適なオペレーションを構築でき、リードタイムを11日短縮
浅田:熨斗や包装などの付加サービスについても、LOGILESSだとシステム上で簡単に出荷指示ができます。例えば、購入されたECサイト別に異なる同梱物を入れ分けるなどの複雑な指示も、RPA機能を使えば、一度条件を設定するだけで、後は自動的に出荷指示を送ってくれます。「こんなことまでできるのか!」と松岡とよく話していました。ガラケーからスマホに替えたときと同じくらいの衝撃を受けています(笑)
松岡:以前は、同梱物の入れ分けも私が指示シートをつくって、それを作業台に貼ってもらって、倉庫側でスタッフの方に指導してもらっていましたが、そういう手間がなくなりました。私もすごく楽になりましたし、倉庫側も混乱なくスムーズに対応できるようになったので、以前はお届け指定日は14日後以降が基本だったのですが、今では3日後以降で受付けられるようになりました。
在庫状況がリアルタイムでわかる上、引当振替も可能に。複数倉庫からの出荷を適切にコントロールして、配送費を3割カット
松岡:あと私が感動したのは、理論在庫ではなく物理在庫の状況がリアルタイムにわかること。以前は、複数のモールから引当中の在庫数を集めてきて、エクセルのシートにまとめないと算出できなかったのですが、今はLOGILESS上で瞬時にわかる。さらに入庫予定もわかるから、在庫の見立てがつきやすくなりました。
浅田:引当振替ができるのは、すごくありがたいですね。今は、関東と関西の倉庫から、配送エリアによって出荷を振り分けていますが、例えば、関西で在庫が足りなくなったとしても、3日後に入庫することが分かっていたとします。今の残数と引当中の数量からスケジュールを見立てて、「この感じだと、引当を振り替えていけば3日後には在庫がつながるな」という風に計算できるんです。こうした出荷コントロールは、以前の体制のままならできなかったこと。複数の倉庫を上手く運用することで、1拠点の頃よりも配送費を3割近くカットすることができています。
森下:僕は数カ月前に入社したばかりなのですが、その頃にはすでにLOGILESSが導入されていました。在庫管理を担当するのは初めてなのですが、おかげですぐに慣れることができました。引当振替もワンクリックでできるので当然のように思っていましたが、今日の話を聞くと、すごくありがたい機能なんだなって。LOGILESSを導入した後に入社して良かったです(笑)
リアルタイムに情報がわかり、全員でシェアできることがLOGILESSの魅力。経営判断にも役立てていきたい
浅田:いろいろな情報をリアルタイムで確認できて、システム上でみんなが共有できる。それがLOGILESSの魅力だと思います。今はECサイトの運営でしか活用していませんが、もっと多くの場面で活用できるんじゃないかと考えています。
例えば、BtoBや実店舗でのオペレーションにLOGILESSを活用してみるとか、基幹システムと連携させ他部署と情報を共有することで、営業戦略や経営判断にも活かせそうです。そうした使い道をいろいろ模索したくなるほど、可能性を秘めたシステムだと思います。