企業情報
企業名 | 株式会社S-PAL |
事業内容 | 梱包・発送・一時保管など、物流業務請負業 |
倉庫数 | 関東:2倉庫 |
物流人員体制 | 社員:約20名 アルバイト:約60名 |
月間対応荷主数 | 約50社 |
月間出荷対応件数 | 約2~6万件 |
対応案件 | 食品:90% 医療関連(検査薬):8% 化粧品:2% |
対応モデル | BtoC(常温・冷蔵・冷凍) |
LOGILESS導入時期 | 綾瀬倉庫(常温):2019年1月 船橋倉庫(冷凍・冷蔵):2019年5月 |
EC物流における課題 | (1)毎日の「事務作業」にかかる工数 EC事業者から送られてくるCSVデータの内容のチェック、誤情報の確認や修正などに多くの時間を要し、スタッフの精神的なストレスも大きかった (2)新規案件開始の際のシステム設定負荷 システムに詳しいスタッフがいないため、新規案件立上げの際のシステム初期設定やEC事業者へのレクチャーに2か月近くかかっていた |
LOGILESS導入後の成果 | (1)LOGILESSはOMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)の一体型システムのため、CSVデータの受け渡し作業自体が不要。手待ち時間もミスもなくなり、事務のパフォーマンスは2倍以上に向上 (2)LOGILESSは一体型なので、OMSとWMSという2つのシステムを連携するためのシステム設定等は不要。また、EC事業者様へ利用方法レクチャーもロジレス社員が実施するのでノータッチに。約2週間で新規案件の稼働ができるようになった |
取材者プロフィール
株式会社S-PAL
船橋センター センター長
藤原 将司 氏
1975年生まれ。奈良県出身。中途採用で入社し、現在4年目。物流自体は15年程。今まで高度医療機器、アパレル等、多岐にわたる物流に携わる。現在ではセンター全体を管理、運営。
株式会社S-PAL
船橋配送センター 係長
佐藤 浩史 氏
1982年生まれ。千葉県出身。知人の紹介で中途採入社し、現在7年目。前職はアパレル物流の現場責任者。現在では50社様ある物流事務の責任者プラス新規営業にも携わる。
株式会社S-PAL
船橋センター 係長
石塚 康弘 氏
1982年生まれ。東京都出身。先代社長とのひょんな出会いから中途採用で入社し現在7年目。異例の元和菓子職人。物流という独特の共同作業にやりがいと魅力を感じている。現在は50社様の物流現場を統括する責任者として携わる。
LOGILESSを導入するまで
EC特化の冷凍・冷蔵対応倉庫。多様なオーダーに応えられる、手作業による流通加工が強み
藤原:S-PALは、常温・冷凍・冷蔵の3温度帯に対応した倉庫会社。基本的にはBtoBの案件は受けておらず、BtoCのEC事業に特化していることが大きな特徴です。EC事業の場合、出荷の際にオーダーにあわせて商品に手を加えることがよくあります。たとえば、ギフトや福袋などの商品は、箱をつくって詰め合わせたり、賞味期限のラベルを作成して貼ったり、贈答用商品には特別なラッピングをしたり、熨斗やリボンをかけたり。D2Cが主流になってきている最近では、商品のブランド価値を高めることに力を入れているEC事業者さまも多く、機械ではできないレベルのこだわりの梱包が求められることもあります。そういったEC事業者さまのさまざまなご要望に対して、経験豊富なスタッフが手作業で対応できる点が、私たちの強みです。
注文情報のCSVデータが正しいか確認する作業が毎日発生し、事務スタッフの負荷が高い状態だった
佐藤:LOGILESSを導入する以前は、別のWMS(倉庫管理システム)を使っていました。なるべくEC事業者さまのご要望に叶えたいという気持ちはシステム選びでも同じで、各社の希望に合わせたシステムを導入していたので、これまで5種類のWMSを並行で稼働させていました。WMSを入れると倉庫内の作業は効率化が進むのですが、毎日の事務作業の時間は一向に減らないんですよね。
事務作業の中でも一番のストレスになっていたのは、「EC事業者さまから毎日送られてくる注文情報の入ったCSVファイルのデータを確認し、正しい情報に修正してからWMSに取り込む」という作業。EC事業者さまは注文情報のCSVデータを手作業で加工したりしてから私たち物流代行の事業者に送ってきているのですが、人間の行う作業なのでどうしても作業ミスが発生するんですよね。送られてきたデータを確認すると、郵便番号が間違っていたり、半角しか取り込めない箇所に全角が混在していたり。正しいデータが送られてくるまで何度か送り直してもらうこともあり、お互いにとって無駄の多い状況も生まれてしまっていました。
石塚:このストレスの多い事務作業についてはスタッフからも不満の声が多くあがりました。自分たちで何とかしようと思い、簡易なデータチェックツールをつくったりもしましたが、かえってムダが発生することもあり、あまりうまく機能しませんでした。うちは物流倉庫のプロであっても、システム開発や事務作業の仕組み化については素人。どうしたら問題が解決できるものか…と途方に暮れていました。
LOGILESSの導入を決めた理由
長年抱えていた課題が解決できることに加え、新規案件開始スピードが2か月から2週間に短縮できた
佐藤:LOGILESSを導入したきっかけは、新規でお取引を始めるEC事業者さまからの紹介でした。正直、それまでLOGILESSのロの字も聞いたこともなく、いつものように「お客さまのご要望するシステムを導入しよう」というくらいの気持ちでした。実際導入してみたら、とにかく今までの業務が劇的に変化したんです。LOGILESSはOMSとWMSの一体型システムのため、毎日のCSVデータのやりとり自体が必要ありません。EC事業者さまに入った注文がほぼリアルタイムで僕らが使うWMS側に送られてくるんです。手作業が発生していないので人的ミスも無いですし、郵便番号や住所検証機能などを通過した正しい情報が連携されてくる。スタッフのストレスになっていた長年の課題が一気に解消されました。
藤原:加えて、新規案件の立上げがすごく楽でスピーディーだったんです。LOGILESS導入前の案件の場合には、EC事業者さまが使うOMSと私たちが使うWMSなどのシステムの初期設定と、2つのシステムを連携させるための基本設定は私たちが行っていました。EC事業者さまへのシステム導入レクチャーもです。先ほど石塚が言っていたように、私たちはシステムに関してはプロではありません。自分の本業ではないので多くの時間がかかってしまいますし、何より精神的な負担が大きいんです。
LOGILESSはOMS・WMSの一体型システムなので、2つのシステムを連携させるための設定作業が不要。またEC事業者さま側へのシステム導入レクチャーはシステム知見の豊富なロジレス社員(ECロジスティクスコンサルタント)が実施してくれるため、私たちはノータッチ。以前は契約から物流代行の開始まで2か月かかっていたものが、この時は2週間で開始することができました。すぐに気に入って、別の案件もLOGILESSでやろう!ということになったんです。
LOGILESSを導入してから
EC事業者さまとの注文データ確認連絡が減り、事務のパフォーマンスは2倍以上に
佐藤:大きく変わったのは「事務作業のパフォーマンス」です。消費者の方がECサイトで商品を購入されたら、こちらにもほぼリアルタイムで情報が入ってきます。EC事業者さまからの情報共有を待たなくても、私たちのほうでWMS画面をチェックして、ピッキングリストを出力すれば、すぐに作業に取り掛かれます。これまでのように、EC事業者さまにデータを整理してもらったり、CSVをメールで送ってもらう必要もなくなり、事務作業にかかる工数を半分に減らすことができました。
石塚: 事務スタッフからすると作業効率がアップしたのはもちろんですが、精神的にもすごく楽になっていると思います。以前は、夕方になると「18時が最終集荷時間なのに、まだリストが届きません」とそわそわしていましたが、そういう姿も見なくなりました。
実はLOGILESSを導入する少し前に、スタッフの不満が募り、組織が崩壊しかけたことがあったんです。出荷時間のプレッシャーや、肉体的な疲労などで社内の空気が悪くなり、多くのスタッフがS-PALを去りました。このままじゃ本当に組織が崩壊してしまう。残ったメンバーで「どうすれば働きやすくなるか」を真剣に考え、ここ数年は待遇面や労働環境も含めて働き方改革に努めてきました。もちろんシステムがすべてではありませんが、スタッフの負担を減らすという意味では、LOGILESSもその一翼を担っていると思います。
今後は食品以外の案件を拡大したい。立上げがスムーズなLOGILESSなら心置きなく新規開拓に挑める
藤原:今は巣ごもり需要で食品が好調ですが、食品はどうしても季節によって波があるので、今後は冷凍保存が必要な化粧品や検査薬など、食品以外の案件の比率を増やしていこうと考えています。LOGILESSなら新規案件の立上げもスムーズなので、思い切って新規開拓に挑戦できます。
また、現在は月間出荷量が多い案件は少ないのでハンディターミナルを使っていませんが、スタッフの負担を軽くするためにも、スマホによる検品を導入したいと考えています。スマホであれば端末コストも抑えられますし、LOGILESSはすでにAndroidアプリに対応していますから。やりたいことは、LOGILESSが先回りしている。本当に最高のシステムに巡り合えたと思っています。