フリマアプリで商品を販売する際、「メルカリ」と「楽天ラクマ」のどちらを使うべきか悩む方も多いのではないでしょうか。どちらも有名なフリマアプリで、多くのユーザーが日々取引を行っていますが、それぞれの特徴や提供するサービスには違いがあります。
選ぶアプリによって手数料や売れやすさが異なるため、結果的に利益や販売効率に差が出る可能性もあるのです。そのため、販売手数料・発送方法・ユーザー層などを比較し、自分に合ったアプリを選ぶことが重要です。
本記事では、メルカリと楽天ラクマそれぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。さらに、目的別のおすすめポイントや、事業者向けのショップ展開についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事では以下のことが分かります。
・メルカリと楽天ラクマの主な特徴と違い
・利用目的に応じた適切な選び方
・事業者向けのショップ機能についての理解
メルカリと楽天ラクマの特徴
ここからは、メルカリと楽天ラクマのそれぞれの特徴を説明します。
メルカリ
メルカリは、株式会社メルカリが2013年に設立したフリマアプリです。月間利用者は2,300万人を超えており、日本最大級の規模を誇ります。
ファッションや日用品、コスメ、家電製品などジャンルが幅広く、中古品から新品まで多くの商品が日々取引されています。法人や個人事業主が利用できる「メルカリShops」も展開されていますが、通常のメルカリは個人のみ出品可能です。
また、メルカリはアメリカにも進出しており、USメルカリのアプリダウンロード数は5,000万を超えています。加えて、日本のメルカリと連携した「Mercari × Japan」の開始により、国内で出品した商品を全米に向けて販売することも可能になりました。
これにより、グローバル市場への販路拡大を目指す個人出品者にとっても魅力的な環境が整いつつあります。
楽天ラクマ
楽天ラクマは、楽天グループ株式会社が運営するフリマアプリです。もともとは、2012年に登場した日本初のフリマアプリ「フリル」が前身で、2018年に「旧ラクマ」と統合され、現在の名称となりました。2024年時点でのアプリ累計ダウンロード数は4,000万以上に達しています。
前身となった「フリル」では10〜20代の女性ユーザーが中心でしたが、「旧ラクマ」は30代の男女が主な利用層でした。現在はこの両方のユーザー層を引き継ぎつつ、より幅広い世代に利用が広がっています。ファッションアイテムやエンタメ商品、ホビー系のほか、スマホ、生活家電、美容アイテム、キャラクターグッズなど販売ジャンルも多彩です。
また、個人間取引の「楽天ラクマ」に加えて、事業者向けの「ラクマ公式ショップ」も展開されています。
出品者側から見たメルカリと楽天ラクマのメリット・デメリット
ここからは、出品者の立場から見たメルカリと楽天ラクマの共通点と違いについて解説します。
メルカリと楽天ラクマ共通のメリット・デメリット
スマホで商品を撮影し、説明文と価格を入力するだけで簡単に出品できるため、初心者でも始めやすいのが大きなメリットです。出品者は自由に価格を設定できるため、買取業者の査定に縛られず、自分の希望価格で販売できる点も魅力です。
また、匿名配送に対応しているため、個人情報を開示せずに取引ができ、安全性もある程度確保されています。
一方で、個人間取引である以上、購入者とのトラブルや返品の要求といったリスクがあることも理解しておく必要があります。
さらに、出品してもすぐに売れるとは限らず、その間は自宅で保管し続けなければならないため、スペースの確保も課題になります。
メルカリ
メルカリのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
メルカリには非常に多くの利用者がいるため、出品した商品が多くの人の目に留まりやすく、売れやすいのが最大の魅力です。また、配送オプションが豊富で、利便性が高いのも特徴です。
たとえば、メルカリ独自の「たのメル便」を使えば、大型商品や重たい荷物でも集荷・梱包・搬出・発送まで一括で依頼でき、匿名配送にも対応しています。
このようなサービスを活用することで、手間をかけずに安心して取引を行うことが可能です。さらに、初期費用や出品手数料は無料で、販売手数料は商品が売れたときのみ10%がかかる仕組みです。
売上金は、メルカリポイントとしてアプリ内の購入に使えるほか、銀行口座への振込で現金として受け取ることもできます。
デメリット
メルカリの販売手数料は10%と高めなため、利益が減りやすい点がデメリットです。
また、値下げ交渉が頻繁に発生する傾向があり、柔軟に対応しないと販売機会を逃す可能性もあります。
楽天ラクマ
楽天ラクマのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
初期費用や出品手数料は無料で、販売手数料は4.5%〜10%に設定されています。手数料率は、判定対象期間における販売回数や販売額の合計に応じて変動します。また、楽天会員IDを持っていればすぐに利用を開始でき、アカウントを紐づけることで楽天スーパーポイントも利用可能です。
売上金は楽天キャッシュにチャージして、アプリ内での購入や楽天ペイ決済に使えるほか、銀行振込にも対応しています。特に楽天銀行を指定すれば、10,000円以上の振込で手数料が無料になる点も魅力です。
さらに、購入申請制度があるため、評価の悪い購入者や不安な相手との取引を避けやすい点も安心材料のひとつです
デメリット
メルカリに比べるとユーザー数が少ないため、商品がすぐに売れるとは限りません。ただし、高額商品や特定ジャンルの商品には根強い需要があり、売れるチャンスは十分にあります。購入申請制度は安心感につながる一方で、出品者側が購入希望者の申請に個別対応しなければならず、対応に手間がかかる可能性もあります。
また、楽天ラクマを利用するには楽天会員登録とアカウント連携が必須のため、楽天会員でない場合は最初の設定や管理が煩雑に感じられるかもしれません。
メルカリと楽天ラクマの比較一覧
メルカリと楽天ラクマの違いを一覧表でまとめました。
項目 | メルカリ | 楽天ラクマ |
---|---|---|
提供元 | 株式会社メルカリ | 楽天グループ株式会社 |
ダウンロード数 | 約1億 | 約4,000万 |
販売手数料 | 10%固定 | 4.5%~10%変動 |
振込手数料 | 1回200円 | 1回210円(楽天銀行利用時は条件付き無料) |
配送方法の種類 | らくらくメルカリ便(ネコポス)、 ゆうゆうメルカリ便、 梱包・発送たのメる便、 ゆうメール、 ゆうパケット、 レターパックライト/プラス、 普通郵便、 クリックポスト、 メルカリエコパック、 宅急便、 ゆうパック | かんたんラクマパック、 ゆうパック、 レターパックライト/プラス、 ゆうパケット、 クリックポスト、 ゆうメール、 スマートレター、 普通郵便、 ヤマト宅急便、 飛脚宅配便、 こねこ便420 |
送料 | 160円~ | 150円~ |
集荷サービス | 有り | 有り |
匿名配送 | 可能 | 可能 |
最低振込額 | 200円 | 1,000円 |
売上金の使い道 | メルペイ | 楽天キャッシュ、楽天ペイ |
振込手数料 | 200円 | 210円(*) |
【目的別】メルカリと楽天ラクマのおすすめポイント
ここからは、「売れやすさ」「販売手数料」「出品のしやすさ」「発送方法の選択肢」「入金までのスピード」「カスタマーサポートの対応」の6項目に分けて、メルカリと楽天ラクマの違いを説明します。
1.売れやすさ
月間利用者数約2,300万人という圧倒的なユーザー数を抱える点では、メルカリの方が有利です。メルカリは商品が多くの人の目に留まりやすいため、需要のある商品は早く売れる可能性が高いです。
一方で、楽天ラクマでは特定のニッチな商品や高価格帯の商品を扱う場合には、早期販売が期待できます。ただし、利用者数が多いほど競争が激しくなることも考慮しなければなりません。
商品が売れるかどうかや売れる速さは、販売する商品のジャンルや状態、価格設定などで異なります。
2.販売手数料
販売手数料の安さでは、メルカリよりも楽天ラクマの方が有利です。ただし、これは条件付きです。
メルカリの手数料は固定の10%ですが、楽天ラクマでは販売実績に応じて手数料が設定されています。そのため、出店したばかりの初期段階や販売が伸び悩んでいる場合、楽天ラクマでも最大10%の手数料が適用され、メルカリと同条件になることがあります。
しかし、販売実績が整えば楽天ラクマの方が手数料を抑えられるため、特に高額商品を扱う方や販売数が多い方にとっては優位になると言えるでしょう。
3.出品のしやすさ
メルカリも楽天ラクマも、初心者でも簡単に利用できるアプリのため、使いやすさや手続きの簡単さはほぼ同等です。
どちらも無料で出品でき手続きが簡単で、新規ユーザーでもすぐに始められます。また、アプリ自体は直感的で使いやすく設計されているので、「どちらかが絶対的に出品しやすい」というわけではありません。
ただし、個々のユーザーの好みや慣れ親しみによって異なる場合があります。
4.発送方法の選択肢
発送方法では、メルカリは「らくらくメルカリ便」と「ゆうゆうメルカリ便」、楽天ラクマは「かんたんラクマパック」があります。これらは日本郵便とヤマト運輸を利用した配送方法で、全国一律の価格です。
メルカリでは、これに加えて大型商品や重量のある商品に対応したメルカリ独自の配送サービス「たのメル便」も対応可能です。どちらも匿名配送に対応しており、宛名書き不要なQRコードを利用する利便性があります。
匿名配送や送料負担についてはメルカリと楽天ラクマは同等ですが、発送方法の選択肢の面ではメルカリのほうが優れていると言えるでしょう。
5.入金までのスピード
メルカリも楽天ラクマも基本的に入金までのスピードは早いですが、楽天銀行を使う場合に限り楽天ラクマの方が速くて便利です。また、メルペイや楽天キャッシュを使えば売上金を即座に利用できる点は、どちらも共通しています。
メルカリと楽天ラクマでは以下のような違いがあります。
メルカリ
売上金の振込は、ゆうちょ銀行とそれ以外の金融機関ではスケジュールが異なります。
ゆうちょ銀行以外では、8時59分までの申請で翌営業日、9時00分以降の申請では2営業日目が入金日です。
ゆうちょ銀行を利用する場合は2〜3営業日かかります。ゆうちょ銀行では、「お急ぎ振込」を利用すると早く振り込むことが可能です。ただし、アプリ版からの振込申請のみの対応で200円の追加手数料がかかります。
楽天ラクマ
楽天銀行を利用する場合は8時59分までの申請で当日、9時00分以降の申請では翌営業日、他の金融機関では2~3営業日に振り込まれます。
楽天銀行口座への振り込みは、10,000円以上であれば手数料無料です。
6.カスタマーサポートの対応
メルカリと楽天ラクマのどちらも、サポート体制はほぼ同等です。どちらも電話によるサポートは提供しておらず、お問い合わせフォームやメールでの対応が基本です。
出品者と購入者の間で解決が難しいトラブルに対しては、運営側が介入して早期解決を図る姿勢を見せています。また、24時間365日のパトロールを実施しており、不正利用への監視体制もしっかり整備されています。
メルカリでは今後のサポート体制の強化を公表しており、楽天ラクマでも外部機関との連携強化が進められていることから、トラブル発生時の対応にも一定の安心感があります。
どちらか一方が圧倒的に優れているというわけではなく、いずれも安心して利用できるサポート環境が整っているといえるでしょう。
メルカリと楽天ラクマの選び方
メルカリと楽天ラクマのどちらを選ぶべきかは、出品者の目的や商品ジャンル、重視したいポイントによって異なります。
たとえば、手数料を抑えて利益を最大化したい場合は楽天ラクマが有利です。特に高額商品を取り扱う場合、楽天ラクマの販売手数料は最安で4.5%と低く、楽天銀行を利用すれば振込手数料も無料になるため、コスト削減につながります。
一方、利用者数が非常に多く、商品が多くの人の目に触れやすいメルカリは、「早く売りたい人」に向いています。また、特定ジャンルの商品を扱う場合は、楽天ラクマの方がライバルが少なく、安定して売れるケースもあるでしょう。
大型商品を出品したい場合は、メルカリの「たのメル便」が便利です。逆に、信頼できる相手とだけ取引をしたい場合には、楽天ラクマの「購入申請制度」が役立ちます。
まとめると、「手数料重視なら楽天ラクマ」「スピード重視ならメルカリ」といった使い分けが理想的です。
ただし、最終的には販売する商品や出品スタイル、自分の優先順位に応じて選ぶことが大切です。それぞれのプラットフォームの特徴を理解し、自分に合ったアプリを選びましょう。
【事業者向け】メルカリShopsとラクマ公式ショップとは?
個人事業主や法人として本格的に商品を販売したい場合は、メルカリの「メルカリShops」や楽天ラクマの「ラクマ公式ショップ」の利用がおすすめです。
これらは、一般ユーザー向けのフリマアプリとは異なり、事業者専用のオンラインショップ機能が用意されています。通常のフリマアプリに比べて出品できる商品ジャンルが幅広く、業務向けの管理ツールも充実しているのが特徴です。
ショップの開設には審査が必要ですが、通過後は商品管理・注文処理・配送設定などを効率的に行える専用の管理ツールが利用可能になります。また、出店者向けのセミナーや講座も随時開催されており、初心者でも安心して運用を始められるようサポート体制が整っています。
目的に応じて最適なフリマアプリを選ぼう
メルカリと楽天ラクマは、それぞれに異なる魅力があります。
メルカリは、利用者数がトップクラスで、出品した商品が多くのユーザーの目に触れやすいのが大きな強みです。さらに、豊富な配送オプションや匿名配送への対応など、出品者にとって利便性の高い機能も充実しています。
一方、楽天ラクマは、販売手数料の低さや楽天ポイントとの連携によるお得さが魅力です。特にコストを抑えて販売したい人には、メリットが多いプラットフォームといえるでしょう。
どちらも初心者でも使いやすい設計となっているため、販売の目的や出品する商品に応じて、うまく使い分けるのがおすすめです。また、本格的に事業として販売を始めたい方には、「メルカリShops」や「ラクマ公式ショップ」の活用も視野に入れるとよいでしょう。
ぜひこの記事を参考に、自分の販売スタイルに合ったフリマアプリを選んでみてください。