お客様への納期遅延を詫びるメールのポイントや構成を解説

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自社ECを運営していると、どうしても納期遅延が発生することがあります。どんなに注意を払っていても、すべての注文に対して納期を厳守できる企業や部署は多くありません。

そもそも納期遅延の原因は自社だけにあるとは限りません。在庫不足や配送トラブルなど、関係各社の事情によって遅れが生じるケースも少なくないでしょう。

しかし、お客様にとっては、すでに商品代金を支払っているため、予定通りに商品が届かないことへの不満が募る可能性があります。そのまま放置すれば、信頼を損ない、リピーターの減少につながることも考えられます。

そこで重要なのが「納期遅延のお詫びメール」です。迅速にお詫びの連絡を入れることで、お客様の不安を和らげ、信頼回復につなげることができます。適切な対応をすれば、むしろCS(顧客満足度)の向上にもつながるでしょう。

この記事では、自社ECサイトにおける納期遅延のお詫びメールの作成方法について、ポイントや構成を解説していきます。

もくじ

納期遅延は自社ECだけの問題とは限らない

納期遅延は、さまざまな関係各所の影響を受けて発生することがあり、自社ECサイトだけの問題とは限りません。これは、どのような企業でも起こり得るものです。

例えば、担当者の操作ミスや確認漏れ、システムの誤作動などが原因で、発注や処理が遅れることがあります。これらのミスは自社だけでなく、取引先や仕入れ先でも発生する可能性があります。

また、扱う商品によっては、在庫が切れた際に原材料の高騰や生産の遅れが重なり、次回の納品が見込めなくなるケースも考えられます。このような状況では、当初の予定通りに商品をお届けすることが難しくなります。

さらに、配送トラブルも納期遅延の大きな要因となります。天候不良によって倉庫からお客様への配送が遅れることもあれば、仕入先から倉庫への搬入が遅れることもあります。特に繁忙期や災害時には、通常の配送スケジュールが乱れ、予測不能な遅延が発生することもあるでしょう。

納期遅延でお詫びのメールを送らなければならない理由

納期遅延が発生した際は、できるだけ早くお詫びのメールを送信することが重要です。遅延の原因がどんなものであれ、商品を楽しみに待っているお客様にとっては関係のないことだからです。

適切なタイミングでお詫びの連絡をしないと、不安や不信感を抱かせてしまい、クレームやキャンセルにつながる可能性もあります。また、対応が遅れれば、顧客満足度(CS)が低下し、リピーターを失うリスクも高まります。

ここでは、納期遅延に対してしっかりとお詫びを伝えるべき理由について詳しく解説していきます。

顧客離れを防ぐために、自社のミスでなくてもお詫びが必要

自社ECサイトに限らず、企業は納期遅延の原因が自社になくても、お客様に対してお詫びをする必要があります。なぜなら、対応を怠るとお客様との信頼関係が損なわれるからです。

特にECサイトでは、競合するショップが多く、お客様は簡単に他のショップへ乗り換えることができます。もし納期遅延が発生しているにも関わらず、何の連絡もなければ、お客様は「いつ届くのだろう?」と不安を感じ、他のショップに目を向けてしまうでしょう。

その結果、顧客離れが進むだけでなく、競合ショップに顧客を奪われることにもなります。こうした事態を防ぐためにも、自社に非がない場合でも率先してお詫びメールを送信し、信頼を維持することが重要です。

信頼回復によるプラスの効果

納期遅延が発生した際にお詫びメールを送信することで、失いかけた信頼を回復することが可能です。

納期が遅れると、お客様は「商品はいつ届くのか?」と不安になり、中には「すでに支払った代金を返金してほしい」と考える人も出てきます。しかし、お詫びメールを通じて誠実な対応を伝えることで、お客様の不安を和らげることができます。

また、遅延というトラブルが発生しても、「このショップは迅速に対応してくれる」と認識されれば、信頼度が向上し、レビューや口コミにも良い影響を与えやすくなります。迅速かつ適切なお詫びメールを送ることで、マイナスの印象をプラスに変え、結果的にCS(顧客満足度)の向上にもつなげることができるでしょう。

納期遅延のお詫びメールで顧客を不安にさせないポイント

納期遅延が発生した際に最も重要なのは、お客様を不安にさせないようにすることです。すでに信頼を失いかけている可能性があるため、お詫びメールの内容次第で、信頼を回復できるかどうかが決まります。

適切な対応をするために、納期遅延のお詫びメールで押さえるべき重要なポイントを確認していきましょう。

判明した時点で迅速に連絡する

納期遅延が判明したら、できるだけ早くお客様に謝罪の連絡を入れることが重要です。たとえ着払いなどで商品代金をまだ支払っていない場合でも、迅速にお詫びの連絡を入れるようにしましょう。

お客様の中には、商品の到着に合わせてスケジュールを調整している方もいます。場合によっては、受け取りのために仕事を休んでいる方もいるかもしれません。そのため、連絡が遅れるほど「どうしてもっと早く知らせてくれなかったのか?」という不信感を抱かれやすくなります。

お詫びメールをすぐに開封してもらえるとは限りませんが、対応が遅れることでクレームにつながるリスクが高まります。納期遅延が判明した時点で、速やかにお詫びの連絡を入れることが信頼維持の鍵となります。

ショップ側に非がなくても誠心誠意をもって伝える

自社ECサイト側に非がない場合でも、誠心誠意お詫びの気持ちを伝えることが重要です。お客様にとって、ショップは唯一の窓口であり、納期遅延の原因がどこにあろうと、「ショップの対応次第で信頼度が変わる」からです。

たとえば、交通事故や天候不良による配送遅延が発生した場合でも、まずは深くお詫びする姿勢を持つことが大切です。対法人(BtoB)の取引では責任の所在を追及されることがありますが、BtoCのように消費者が相手の場合は、誠実な謝罪が信頼回復につながることが多くあります。

また、万が一お客様自身が配送先の住所を誤って登録していた場合でも、最初の連絡ではお客様に非がある可能性を指摘するのは避けたほうが無難です。

たとえば、遅延の原因がまだ特定できていない段階で、「配送先のご住所に誤りはありませんか?」「もう一度ご確認いただけますか?」といった問い合わせをすると、不快に感じられることがあります。

そのため、第一報では「ショップ側に非があるような形で」丁寧にお詫びの連絡をするのがポイントです。

後に、お客様が住所を修正し、商品が無事に届いた際には、「商品が無事に届いて安心しました。」といった、お客様を責めないフォローアップメールを送ることで、ショップの対応力に満足してもらい、リピート購入につなげることができるでしょう。

内容は簡潔にまとめる

納期遅延のお詫びメールは、お客様がすぐに内容を理解できるよう、簡潔にまとめることが理想です。

まず、メールの件名は「納期遅延のご連絡」など、シンプルで分かりやすいものにしましょう。本文についても、現時点で把握している情報のみを伝え、不要な長文は避けることがポイントです。

また、メールの冒頭には、「お買い上げいただき誠にありがとうございます」といった感謝のメッセージを添えましょう。その後に、納期遅延に関する謝罪文を簡潔に記載すると、より誠実な印象を与えることができます。

ポイント

  • 件名はシンプルに「納期遅延のご連絡」などにする
  • 文章は簡潔にまとめ、分かりやすく伝える
  • 感謝のメッセージを最初に入れた後、謝罪文を記載

このように、簡潔で分かりやすいお詫びメールを作成することで、お客様の不安を最小限に抑えることができます。

今後の対応や原因対策を入れる

納期遅延が発生した際、お客様が最も知りたいのは「いつ商品が届くのか」という点です。そのため、お詫びメールには今後の対応や対策を明確に記載することが重要になります。

例えば、配送トラブルが原因の場合でも、「すぐに配送できるケース」と「道路の事故や大雪などで配送が困難なケース」では対応が異なります。見通しが立っていない場合は、確認が取れ次第、すぐに連絡する旨を明記しましょう。一方で、配送業者との連絡がつき、対応の見通しが立った場合は、具体的な納品予定日を伝え、お客様のスケジュールとすり合わせることが大切です。

また、海外発送の商品は航路の影響で大幅な遅延が発生する可能性があります。こうしたリスクについては、事前に購入ページに注意喚起を記載し、トラブルを未然に防ぐ工夫をしましょう。

さらに、ショップ側のミスによる遅延の場合は、原因の特定と再発防止策をしっかり説明する ことが信頼回復につながります。たとえ自社が原因でない場合でも、ショップ側でできる範囲の対策を講じ、お客様に安心感を与えることが重要です。

ポイント

  • 納品予定日が分かる場合は明確に伝える
  • 見通しが立たない場合は「確認後すぐに連絡する」と明記する
  • 海外発送など遅延の可能性がある商品は、事前に注意喚起を行う
  • ショップ側のミスが原因なら、再発防止策を伝え信頼回復を図る

このように、今後の対応や対策をしっかり伝えることで、お客様の不安を和らげ、信頼関係を維持することができます。

問い合わせがあれば迅速に対応する

納期遅延に関する問い合わせがお客様から先に寄せられる場合や、こちらから送ったお詫びメールに対してクレームが届く場合があります。その際は、できるだけ早く返信することが重要です。

特に、自社ECサイトでは迅速な対応が信頼回復につながるため、問い合わせへの返信を後回しにせず、できる限り早く対応することが求められます。もし返信が遅れると、お客様の不安が増し、不信感を抱かれる原因になってしまいます。一度失われた信頼を取り戻すのは容易ではないため、初期対応を徹底することが大切です。

また、解決までに時間がかかりそうな場合は、お客様をさらに不安にさせないよう、以下のように対応しましょう。

  • 現時点での状況を簡潔に説明する
  • 納品予定日が分かる場合は明確に伝える
  • 詳細が分かり次第、改めて連絡する旨を約束する

例えば、「現時点では〇〇の影響により、〇日ごろの納品予定となっております。」「詳しい状況が判明し次第、改めてご連絡いたしますので、ご安心ください。」といった形で伝えることで、お客様の不安を軽減することができます。

問い合わせ対応のスピードと誠実さが、顧客満足度を左右する大きなポイントになります。適切な対応を心がけ、信頼関係を築いていきましょう。

納期遅延のお詫びメールの基本構成

納期遅延が発生する要因はさまざまです。自社ECの手配ミスや在庫不足のほか、自然災害による交通機関のマヒ、配送業者のトラブルなど、さまざまな外的要因も考えられます。

ただし、お詫びメールの内容は遅延の状況に応じて適切に分けて対応することが重要です。納期遅延のパターンを大きく分けると、次の4つのケースが考えられます。

  1. すぐに配送可能な場合
  2. 天候・自然災害など外的要因による遅延
  3. 一定の時間を要するが、納品可能な場合
  4. 配送の見通しが不明な場合

それぞれのケースに応じた適切なお詫びメールの構成を見ていきましょう。

すぐに配送可能な場合

納期遅延が発生したものの、すぐに配送可能な場合 は、適切にお詫びをしつつ、お客様のご都合を確認することが大切です。

<件名>
【〇〇ショップ】納期遅延のお詫びと配送予定のご案内
<本文>
●●様
お世話になっております。
【〇〇ショップ】でございます。
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本来、〇〇月〇〇日までにお届けする予定でしたが、弊社の管理ミスにより発送が遅れてしまいました。 お客様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

メーカーに確認したところ、在庫がございましたので、すぐに発送対応が可能です。

つきましては、○○月○○日のお届け予定となりますが、ご都合はいかがでしょうか?
問題がなければ、速やかに発送手続きを進めさせていただきますので、ご確認のうえ、ご返信をいただけますと幸いです。

今後、同様のミスが発生しないよう、在庫管理体制を見直し、再発防止に努めてまいります。
●●様には商品を楽しみにお待ちいただいていたにもかかわらず、弊社の不手際でご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。

ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

【〇〇ショップ】

天候・自然災害など外的要因による遅延

天候や災害など、不可抗力によって納期に遅れが出る場合も、お客様への丁寧なお詫びと状況説明が必要です。配送予定が不明瞭な場合は、分かり次第すぐに案内する旨を伝えると安心感につながります。

<件名>
【〇〇ショップ】納期遅延のお詫びとお届け時期に関するご案内
<本文>
●●様
お世話になっております。
【〇〇ショップ】でございます。
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本来、〇〇月〇〇日までにお届けする予定でございましたが、現在発生しております悪天候の影響により、配送業者より一部地域への配達に遅延が生じている旨の連絡を受けております。

お客様にはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。

現時点での最新の配送状況では、〇〇月〇〇日頃のお届け見込みとなっておりますが、天候の状況により前後する可能性がございます。配送が完了いたしましたら、改めてご案内させていただきます。

ご不安をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

今後とも【〇〇ショップ】をどうぞよろしくお願い申し上げます。

【〇〇ショップ】

生産・仕入れ遅れによる納期遅延

仕入先やメーカー側の事情で納期が遅れる場合も、責任を転嫁せず、自社として真摯に対応する姿勢を示すことが大切です。

<件名>
【〇〇ショップ】納期遅延のお詫びとお届け予定日について
●●様
<本文>
お世話になっております。
【〇〇ショップ】でございます。
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

ご注文いただきました商品につきまして、〇〇月〇〇日までにお届けする予定でございましたが、仕入先からの入荷が予定より遅れており、現在も入荷待ちの状態が続いております。

このたびはご案内が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。

現時点での見込みでは、〇〇月〇〇日頃に入荷予定となっており、入荷次第、速やかに発送の手配をさせていただきます。

商品を楽しみにお待ちいただいている中、ご不便とご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。

今後は、より正確な納期のご案内ができるよう、仕入れ先との連携を強化し、再発防止に努めてまいります。

何かご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

引き続き、【〇〇ショップ】をよろしくお願い申し上げます。

【〇〇ショップ】

システムトラブル・人的ミスなど社内要因による遅延

社内の不手際による納期遅延は、特に誠意ある謝罪と再発防止への取り組みが重要です。原因を曖昧にせず、責任を明確にすることで信頼回復につながります。

<件名>
【〇〇ショップ】納期遅延のお詫びと発送予定日のご案内
<本文>
●●様
お世話になっております。
【〇〇ショップ】でございます。
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

ご注文いただきました商品につきまして、〇〇月〇〇日までにお届けする予定でございましたが、弊社のシステムトラブルにより発送処理に遅延が発生しておりました。

お客様には多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。

現在はシステムの復旧が完了し、発送準備も整っております。〇〇月〇〇日のお届け予定となっておりますが、ご都合が悪い場合はお知らせいただけますと幸いです。

今回の件を重く受け止め、今後同様のトラブルが発生しないよう、社内体制の見直しと再発防止策を徹底してまいります。

何かご不明な点やご要望などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

引き続き、【〇〇ショップ】を何卒よろしくお願い申し上げます。

【〇〇ショップ】

納期遅延のお詫びは誠実さと簡潔さを意識しよう!

納期遅延が判明したらすぐにお詫びのメールを送信するようにしましょう。お客様を不安にさせないように心がけ、真摯に対応して信頼回復に努めればCSの向上にもつながります。

自社の問題ではなくても謝罪し、迅速さと誠心誠意をもって対応することが大切です。ここで紹介したお詫びメールのポイントや構成を参考にしてみてください。

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