企業情報
事業内容 | 京つけもの製造及び販売 |
ECサイト | https://www.nishiri.co.jp/c/c108 |
お取扱商材 | 京つけもの/お漬物ギフトなど |
販売モデル | BtoC、BtoB |
月間出荷件数 | 1,000~5,000件 |
EC開始時期 | 2001年 |
LOGILESS導入時期 | 2023年4月 |
EC物流における課題 | ・導入前:フルスクラッチのEC+基幹システムに手動で受注を取り込み ・受注データを1つずつ確認してから印刷し、その上で基幹システムへ連携する作業を行っていた ・ギフト、お中元、頒布会など複雑な出荷指示を行っていくにあたって、手動の受注管理になっていた ・ECサイトのリニューアルを機に、OMSとWMSも導入を進めることに |
導入後の成果 | ・導入後:futureshop+LOGILESS(ロジレス) ・完全自動化(繁忙期の残業時間が1人月30時間削減) ・お中元・お歳暮に対応できるマクロを設定 ・紙での印刷を行う受注処理がほぼなくなり、出荷のストレスがなくなった |
取材者
株式会社西利
通信販売事業部
部長 杉山栄一さま
1994年入社 営業部に配属となり、販売業務一筋で来たが、入社23年目に事務部門に部署異動となり、通販事業部の部長となる。事務業務の仕事は全くの素人。周りのメンバーに助けられながら、メンバーと共に、ECサイトの売上を伸ばすべく、奮闘中。
好きな漬物は白菜のぬか漬です。
通信販売事業部
GM(グループマネージャー) 中松聡美さま
1992年入社 当時の営業事務(のちの通信販売事業部)に配属となり、途中、2度の育児休業を取得しつつ事務部門一筋できました。
入社当時は主に納品店業務を担当。電話やFAXで受注し、専用システムへデータ入力して業務を進めておりました。時代が進むにつれ、インターネット経由の受注が増加。
めまぐるしく変化を遂げるデジタル化の波に追いつけるよう、皆様のお力添えをいただきながら、メンバー一丸となってお客様サービスの向上に取り組んでいます。
好きな漬物は千枚漬です。
通信販売事業部
GL(グループリーダー) 森夕有奈さま
2017年入社 営業事務に配属となり、2年目に新しくできた通信販売事業部へ部署移動となりました。
主に電話、FAX、インターネットからの受注処理を行っています。
ロジレス導入の際には、各モールとのテスト連携や、マクロの設定などを担当いたしました。好きな漬物は胡瓜の浅漬です。
LOGILESSを導入するまで
20年以上前から自社ECサイトを運営、電話注文やモール出店など複数の販売チャネルを抱える
杉山:弊社の創業は1940年、「京つけもの西利」として京つけものの製造および販売を行っています。主力商品には、千枚漬などの伝統的なお漬物のほかに、1985年に開発した「京のあっさり漬」シリーズがあります。いわゆる浅漬けですが、開発当時はそういった商品は一般的ではなく、過去にテレビ局に取材していただいたときには「浅漬けブームの火付け役」と言っていただきました。
自社ECサイトは、20年以上前から運営しています。それ以前から電話での注文受付も行ってきました。自社ECサイト立ち上げ後、2017年には楽天市場に出店し、その後Yahoo!ショッピングなど複数のモールに出店しています。ただ、ECサイトでの売上が増えたのはコロナ禍からで、それまでは大きな売上はありませんでした。
注文急増で受注の作業時間が大幅増、紙ベースの手入力で繁忙期には8名以上の人員が必要に
中松:LOGILESS導入のきっかけとなったのが、コロナ渦でECサイトの注文が爆発的に増えたことです。緊急事態宣言で店舗が全部閉まったことで、ECサイトをはじめとした通信販売での注文が通常の5~6倍になり、一気に負荷がかかりました。受注作業に追われる状況が続き、会社としてなんとかしないといけないというときに、ECサイト構築の担当会社から紹介してもらったのがLOGILESSです。
森:LOGILESS導入以前は、受注件数に比例して作業時間が増えてしまうことが課題でした。当時は、注文データを1件ずつ確認、必要事項をメモして印刷し、手作業で基幹システムに取り込んでいたんです。ミスを防ぐために二重のチェックを行っていたこともあり、かなり時間を要していました。
また、注文に変更が生じたときは、その注文の紙を探し出す必要があり、すごく効率が悪かったです。人手も必要で、11月・12月の繁忙期には、通信販売事業部の8名に、さらに他部署から1~2名に来てもらうほどでした。
LOGILESS導入を決めた理由
備考欄の複雑な要望にも自動で対応できるとわかり、懸念点が解消
中松:受注に時間がかかる大きな原因になっていたのが、備考欄に入力された内容を手作業で反映する必要があったことです。配送日や熨斗、包装の指定など、お客様から細かなご要望を備考欄で承っていました。たとえば熨斗の希望でも、内熨斗と外熨斗、小袋の同梱などいろいろなパターンがあり、100種類以上の組み合わせがあります。
LOGILESS導入にあたっては、それを機械的に処理できるかどうかが一番不安な点でしたが、どう入力するとどう自動で変換されるのかをロジレス導入時の担当者さんに丁寧に教えていただき、スムーズに進むことがわかったので、これならいけると思いました。
運用ではなく機能で解決、希望に寄り添う柔軟な対応が導入の決め手
森:担当者さんの対応はLOGILESS導入の決め手になったと思います。打ち合わせは複数回行いました。旧システムはフルスクラッチで複雑なところが多かったのですが、それをLOGILESSに移行するために、データの項目一つひとつの意味を確認しながら、そのままでは希望通りにいかないところもできるだけ希望に近づくよう時間をかけてくださいました。
杉山:アウトソースの会社さんの多くは、機能的にそれ以上対応できないところは運用でなんとかしてくださいとなりがちです。そういう場面でもロジレスさんは機能でなんとかしようと寄り添ってくれました。
LOGILESSを導入してから
残業時間が30時間減、注文が来ることが嬉しくなり、商品到着までの時間も短縮
中松:LOGILESSの導入は3段階に分けて行いました。まずは楽天以外の受注量の少ないモールから始めて、次に受注量の多い楽天市場で導入しました。自社ECサイトはリニューアルしてフルスクラッチからSaaS型プラットフォームのカートシステムに移行、最後にLOGILESSにつないで一本化しました。
森:自社サイトと各モール、さらにお電話やFAXでもご注文をお受けしており、それらすべてを手作業で入力していたところから、自動で注文が入るようになったのは大きな改善点でした。LOGILESS導入前後で繁忙期の11月・12月の残業時間を比較すると、導入前の2022年は導入後の2023年に比べて1人月30時間ほど残業時間が減っています。
導入後は受注をほぼ自動化できました。機械的に処理できないことだけを作業者が確認して、確認が終われば自動で伝票の発行までできるようになっています。毎月別の商品をお送りする頒布会などの販売方法にも対応できていますし、熨斗の指定など細かなご要望は、「明細行備考欄」という項目を活用しています。
手作業が中心だったときはチェックをしてもミスが起きることがあったのですが、それも軽減されました。紙も使わなくて良くなって、良いことづくしです。なにより、たくさん注文が来たときに、純粋に嬉しいと感じられることが良かったなと思います。
中松:業務量が減ったことは大きいですね。繁忙期はやってもやっても受注が終わらず、これ以上注文が来ないでほしいと思ってしまうこともあったのですが、今はどんどん注文してくださいと思えるようになりました。また、お客様に商品をお届けするまでの時間も少し短くなり、平常時で1日ほど、繁忙期では2日ほど短縮できました。
受注の効率化が現場の意識を変え、売上向上のためのより積極的な取り組みへつながる
杉山:今まで会社としてはECサイトでも積極的に販売をしたかったのですが、これ以上チームの皆さんに業務の負担をかけられず、なんとか現状の稼働で注文を「処理する」だけの状態でした。それが、積極的に接客をしてもらえるようになり、会社として本来の状態になれたと思います。皆さんの目つきも優しくなりました(笑)
弊社の場合、ECサイトでしっかり商品が売れるようになったのが本当にコロナ渦からなんですね。それまで我々も商品についてどこかで固定観念があって、京都に観光で来て買っていただいたり、嗜好品としてご利用いただいたりしていると認識していたんだと思います。ところがコロナ禍で急にECサイトの売上が伸びて、我々の商品を必要としていただいていることがわかりました。
店舗では観光シーズンなどの繁忙期に物量が通常期の5~10倍になるので、事前に日持ちする商品を準備しておくのですが、2020年春の観光シーズンは緊急事態宣言でほとんどの店舗が閉まり、準備していた商品が大量に余ってしまいました。そこで、当時、ステイホームセットをはじめた他社にならい、弊社でもステイホームセットを作ってECサイトでお手ごろな価格で販売してみたところ好評で、売上が伸びていったんです。
おそらくそれまではネット通販をしていること自体に気づいてもらえてなかったのではないかと思います。それがコロナ禍をきっかけに気づいてもらえて、お手ごろな商品だけでなくリピートしてくださる方も増えました。
実は、通信販売事業部は比較的新しく立ち上がった部署です。最初はシステムやオペレーションなどが何も整理されておらず、現場のマンパワーだけでやっていたところに、注文がどんどん増えてパンクしてきた。そこで全体の基幹システムを見直すことになって、ECサイトをリニューアルして、LOGILESSを導入したんです。
それまでは、注文が来るので処理するという受け身な立場で、オペレーターが積極的に注文を取りに行くという状況ではありませんでした。それがLOGILESSを導入して自動化したことにより、通信販売事業部として意識が変わってきて、積極的に売上を作っていこうとしています。今後、一人ひとりが売上を上げるためのアイデアを出していけるようになっていくことを期待しています。