「発送代行の利用を検討している」、「利用したいけれど、どこに頼めばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、発送代行とはなんなのか。さらにはメリットや注意点についても、わかりやすく解説していきます。本記事を読めば発送代行についての疑問をまるごと解消できるはずです。
発送代行とは
発送代行とは、ECサイトの事業者に代わり、商品を発送するサービスのことです。
また、発送代行とよく似た言葉に、出荷代行があります。
発送と出荷にはどのような違いがあるのでしょうか。
一般的に発送は「荷物を送ること」、出荷は「受注から発送までの一連の流れ」と定義されているようです。
しかし、多くの発送代行サービスでは、受注からピッキング、発送までを一手に担っています。
そのことから発送代行と出荷代行は、ほぼ同じものと考えて問題ないでしょう。
どちらのサービスにも人的コストや、手間を削減できるという特徴があります。
それから、もう一つよく似た言葉に配送代行があります。
こちらは配送のみを代行するサービスが多いようです。
例えば、海外ユーザーが日本のECで商品を購入した際に、届け先を配送代行業者に指定し、そこから自宅へ配送してもらう、などのケースがあげられます。
発送代行とは全く異なるサービスなので、注意が必要です。
サービスを選定する際は、発送代行か出荷代行か、また一連の発送作業においてどこまで担ってくれるのかを確認しておくようにしましょう。
発送代行を導入するメリット
発送代行を利用すると、どんなメリットが期待できるのでしょうか?
ここでは大きく3つに分けて、発送代行のメリットを紹介していきます。
業務効率化:発送作業をアウトソーシングできる
商品を発送する際には、ピッキング、梱包、追跡番号の取り込みなど煩雑な作業が多数発生します。
そのため発送にリソースを割かねばならず、結果的に他の業務に集中できないという事態が発生してしまいます。
そこで心強い味方になってくれるのが、発送代行サービスです。
発送代行サービスを利用すれば、人的・時間的リソースをかけずに発送業務を終えられます。
誤発送・ミスの削減
発送する商品が多くなればなるほど、誤発注やミスが発生しやすくなります。
そうすると、お客様からクレームをいただいたり、最悪の場合には信用を失ってしまったりするかもしれません。
そんな事態を抑止できるのも発送代行のメリットです。
発送代行サービスでは、適切な知識やノウハウを持った専門スタッフが業務にあたります。
そのため自社の社員が携わるよりも、ヒューマンエラーが起こる確率を抑えられるでしょう。
さらに、発送代行サービスは、ヒューマンエラーに備え、専用の機器を導入しているケースも多いです。
例えば、商品のバーコードを読み取って記憶するハンディターミナルなどです。
こうした機器を駆使しているため、万が一ヒューマンエラーが起こってしまった場合でも、誤発注やミスを防いでくれます。
もちろん、自社でハンディターミナルなどの機器を購入してヒューマンエラーを防ぐといった対策も考えられます。
しかし、ハンディターミナルなどの機器は高価なのに加え、扱いになれるまでにも時間がかかります。
それならば発送代行サービスを利用した方が、金銭的にも時間的にもパフォーマンスがよいのではないでしょうか。
自社で倉庫を保つ必要がなくなる
現在、商品在庫の保管場所や管理に悩んでいるという方も多いでしょう。
そんな方にも発送代行サービスがピッタリです。
発送代行サービスの中には、在庫管理を請け負ってくれるものもあります。
商品在庫の保管場所や管理を全て任せてしまえば、自社で倉庫を持つ必要がなくなります。
また、これまで以上に在庫を用意したり、より効率的に管理したりも可能になるかもしれません。
発送代行を導入する際の注意点
ここまで発送代行サービスのメリットを紹介してきました。
しかし、発送代行サービスにも注意しなければいけない点があります。
それぞれ3つ、解説していきましょう。
費用が発生する:発生する費用と相場を紹介
まずあげられるのは、費用が発生してしまうことです。
多くの場合、発送代行サービスの費用は、固定費と変動費にわかれています。
固定費は毎月決まった金額の費用のこと、変動費は発送量等に応じて増減する費用のことです。
いったいどんな項目にどれくらいかかるのか、順番に見ていきましょう。
基本費用
基本費用とは、サービスの基本的な部分にかかる費用のことです。
金額は固定の場合が多く、相場は3万円から5万円ほどといわれています。
ただし、発送する量によって金額が変動するケースもあるようなので、実際に依頼する際にしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
倉庫費用
倉庫費用とは、倉庫をレンタルするのにかかる費用のことです。
固定費ですが、その価格はまちまち。
倉庫は1坪や1パレットなどの単位でレンタルするケースが多く、借りるスペースの広さに応じて価格が変動します。
おおよその相場は1坪5000円前後ともいわれています。
ただしサービスや借りる倉庫の立地によって相場が異なるので、留意しておいてください。
一般的に、都心に近い倉庫ほど費用がアップするといわれています。
保管費用
保管費用は商品の保管にかかる費用のことです。
倉庫費用と同義の場合もあれば、冷蔵・冷凍などにかかる費用を含んでいるケースもあります。
入庫費用
入庫費用は、商品の検品や、倉庫に運ぶのにかかる費用のことです。
入庫する商品数によって総額が変わる、変動費の1つです。
単価は1箱につき、おおよそ50円から150円程度。
ただし、入庫が大変な重量物の場合などは、もう少し単価が上がるかもしれません。
梱包費用
梱包費用は、商品の発送に必要な梱包作業にかかる費用のことです。
変動費に分類され、梱包する商品の量、梱包内容によって価格が変わります。
単価はおおよそ、1件につき200円前後。
エアークッションや保冷材を使う場合、ギフト用の特殊な梱包の場合は、もう少し単価が上がると思われます。
発送費
発送費とは、商品の発送自体にかかる運賃のこと。
発送する商品の量によって変わる変動費です。
発送費は配送業者に支払う金額とイコールの場合が多いです。
発送する商品の大きさ、重量、距離にもよりますが、60サイズでおおよそ400円ほどといわれています。
発送代行業者は配送業者と割引契約をしているので、個人で発送するよりも費用を押さえられます。
毎月、大量の商品を発送している場合は、かなりの恩恵を受けられるでしょう。
倉庫と自社商品の相性:冷蔵・冷凍・温度などの保管環境
発送代行サービスを利用する上で重要になるのが、倉庫と自社商品の相性です。
温度管理が必要な商品の場合は、冷蔵・冷凍が可能かしっかりと確認しておくとよいでしょう。
また、倉庫の所在地を把握しておくのも大切です。
例えば北海道から沖縄まで全国各地に商品を送りたいという場合は、おおよそ中間のあたりに倉庫を借りる、もしくは2拠点に分けるといった施策が考えられます。
細かい指示の対応可否:同梱など対応できないケースもある
細かな指示を出したいと考えている方は、倉庫タイプを確認しておくのも大切です。
倉庫タイプはそれぞれ3つあります。
個別倉庫タイプ
個別倉庫タイプは、依頼者側が受注管理を行い指示を出すタイプの形態です。
倉庫内の作業を把握しておきたいという方に最適です。
物流倉庫タイプ
物流倉庫タイプは、倉庫業者に商品を預け、そこに配送代行業者が赴いて作業する形態です。
受注管理は依頼者側で行う必要があります。
お任せタイプ
お任せタイプは、受注管理から発注までを一手に任せられる形態です。
最も依頼者側の負担が少ない形態といえるでしょう。
お任せタイプは便利ですが、細かな指示を出すのには不向きとの意見もあります。
確かに、多くのお任せタイプのサービスでは、同梱や商品によって手数料を加算するなど細かな指示を出せない場合が少なくありません。
そんな時は、「LOGILESS」を使うのも1つの手段です。
LOGILESSとは、株式会社路地クエストが提供する配送代行サービスで使われているEC自動出荷システムのこと。
受注伝票に対してマクロを設定しておけば、かなり細かな指示を出せます。
例えば「[お届け先 住所]が条件[沖縄県][から始まる]とき、 [お届け希望日を削除する ]」等です。
マクロを使えば、依頼者の理想通りの配送が実現できるでしょう。
その他のチェックすべきポイント
もしかすると、どの配送代行サービスに依頼しようか迷ってしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、配送代行業者を選ぶ際にチェックすべきポイントを紹介します。
信頼性
大切な商品を預けるのなら、信頼できる業者にしたいものです。
まずは、依頼先のホームページを確認し、実績や取引先などを確認するとよいでしょう。
またレビューサイトの口コミを読むのも有効な手段です。
管理体制
商品をどんな状態で管理しているのかはもちろんですが、お客様の個人情報を適切に管理しているかも重要です。
個人情報が流出すれば、お客様の信頼を一気に失ってしまう事態にもなりかねません。
依頼する配送代行業者がどんなシステムを使っているのか、本当に安全なのかも確認しておきましょう。
出荷可能数
意外に見落とされがちなのが出荷可能数です。
配送代行サービスの中には、一度に発送できる商品数に上限を設けているケースもあります。
もし受注数に対して上限が低い場合は、せっかく依頼したのに商品を発送できなくなってしまう可能性も考えられます。
また、上限を越えて発送するのに、追加料金が発生するケースもあるようです。
そんな事態を防ぐためにも、出荷可能数は必ず調べておきましょう。
サポート体制の有無
「わからないことがある」、「間違って商品を発送してしまった」などの緊急事態に、問い合わせられるフォームがあるかも重要な要素です。
さらに、過去の対応実績やサポート範囲なども知っておくと安心感が増すでしょう。
まとめ
今回は発送代行の概要や、メリットと注意点を紹介しました。
発送代行サービスを依頼する場合は、費用や倉庫との相性、細かな支持が出せるかなどを確かめ、吟味する必要があります。
発送代行サービスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。