EC事業者さまであれば、商品を保管・出荷するために確実に必要となるのが「倉庫」ですよね。
しかし、「倉庫」といっても複数の種類があり、種類によって保管可能なアイテムが異なるため、正しく倉庫選定をすることが求められます。
そこで今回は、倉庫の種類や倉庫で保管することができるアイテムの分類について解説していきます。
参考URL:国土交通省「倉庫業法」
取り扱い商品によって利用する倉庫は異なる
自社のECサイトで物流代行をお願いする倉庫を選ぶ際、「安さ重視で選ぼう」「本社から近いところに倉庫を持ちたい」といった観点で検討をされるかもしれません。
しかし、外部倉庫の利用を検討される際はコスト面や利便性以外にも判断軸が必要です。
例えば、コンタクトレンズや医薬品を扱っている事業者の場合、特定の許可を得た倉庫を選ぶ必要があり、生鮮食品を扱っている場合であれば、冷蔵保存が可能な倉庫を選ぶ必要があります。
このように、商品によって利用する倉庫は異なるため、自社の取扱商品に必要な条件を把握し、倉庫選定を行うことが求められます。
ここからは、倉庫の種類について網羅的に解説していきます。
EC事業者が物流代行を委託する際は「営業倉庫」を利用する
倉庫は大きく「自家用倉庫」と「営業倉庫」の2種類に分かれます。
- 自家用倉庫:倉庫の所有者が自身所有の荷物を保管するための倉庫
- 営業倉庫:倉庫の所有者が他人の荷物を保管するための倉庫。倉庫業法に基づいて国土交通大臣の登録を受けた倉庫
EC事業者が利用するのは「普通倉庫」「冷蔵倉庫」のいずれか
続いて、営業倉庫の種類についてご紹介します。営業倉庫は大きく分けて5つの種類に分かれ、その中の「普通倉庫」はさらに6つに分類されます。
一般消費者向けのEC事業者さまの場合「普通倉庫」を利用することが大半ですが、冷蔵・冷凍商品を扱っている場合は「冷蔵倉庫」を選ぶなど、扱っている商品に合わせて適した倉庫を選択してください。
水面倉庫・トランクルーム・特別倉庫はEC事業において活用することはほぼない
普通倉庫
普通倉庫は6つの分類があり、それぞれで保管可能な物品が異なります。
- 1類倉庫:防火や防水などの様々な要件を備えて幅広い製品が保管できる倉庫
- 2類倉庫:1類倉庫から「防火性」を除いた全ての要件を備えている倉庫
- 3類倉庫:板ガラスや地金など後述の第3〜5類物品を保管するための倉庫
- 野積倉庫:原木など後述の第4・第5類物品を保管するための野外の倉庫
- 貯蔵槽倉庫:粉状・液体物をメインで保管するための倉庫
- 危険品倉庫:危険品や高圧ガスを保管するための倉庫
冷蔵倉庫
生鮮品や加工品などの第8類物品を保管するための倉庫。10℃以下に温度管理された倉庫で、生鮮品や冷凍保存を行う必要がある加工品のための施設です。
ECサイトで販売する商材はどの倉庫に保管したらいいの?
保管可能な物品は、以下の8分類に分けられており、どの分類に属するかによって利用するべき倉庫が異なります。
- 第1類物品:第2〜第8類物品に当てはまらないもの
- 第2類物品:麦、飼料、塩、野菜、皮革、肥料、セメントなど
- 第3類物品:板ガラス、陶磁器、タイル、木炭、貝殻、農業用機械など湿気や気温の変化によって変質しにくいもの
- 第4類物品:地金、鉄剤、銅板、ケーブル、鉱物、自動車、木材など野積で保管することができるもの
- 第5類物品:原木など水面で保管することが可能なもの
- 第6類物品:容器に入れていない粉状・液状のもの
- 第7類物品:消防法に定められた危険品や高圧ガス
- 第8類物品:生鮮品や加工品で、10℃以下での保管が必要なもの
例えば、第6類物品の場合、保管可能なのは「貯蔵槽倉庫」のみに限られます。
このように、属する分類によって選ぶ倉庫が変わるので、まずは保管したい商品がどの分類に属するのか把握しましょう。
まとめ
今回は、倉庫の種類や保管可能な物品の分類についてご紹介してきました。倉庫の種類は様々あり、自社で取り扱っている商品に応じて、適した倉庫を選ぶ必要があることをご認識いただけたと思います。
- 預ける商品が8つの分類のどこに属するかを把握する
- 属する分類は5種類のどの営業倉庫に預ける必要があるか把握する
- 普通倉庫の場合、6つの分類のうちどの分類に当てはまるか把握する
という順で検討し、自社の商品に適した倉庫を選んでくださいね。
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