オンラインで商品を販売するEC事業が伸びるに伴って「物流代行サービス」にたくさんの企業が進出してきていますが
- そもそもどのような業務を請け負ってくれるのか
- 自社に導入すべきなのか
といった疑問を抱えている方もいらっしゃるかと思います。
初めは自社で在庫保管や発送業務を行ってきた企業も、在庫数や発送数の増加に伴い、外注を選ぶ方が増えてきています。
そこで今回は、物流代行サービスの基本的な仕組みや費用感と、導入時のメリット・デメリットについてご紹介します。
物流代行サービスをご検討されている方は、参考にしてください。
物流代行サービスとは在庫保管や出荷などを代行してくれるサービス(図解で説明)
物流代行サービスとはその名の通り、在庫の倉庫保管やECサイトで販売した商品の発送などをアウトソーシングできるサービスです。
物流代行サービスを行なっている企業は多岐にわたるため、一部違いはありますが、大まかには下記のような業務を請け負ってくれます。
物流代行サービスにかかる料金は「1配送あたり600円〜1,000円程度」
物流代行サービスを利用する際に特に気になる料金ですが、下記のように「基本料金+在庫数・配送個数による従量課金」といった料金体型が主流となっています。
業者や発送する商品によって金額にばらつきはありますが、固定費である基本料金を除くと、1配送あたり600円〜1,000円程度のケースが多いようです。
物流代行サービスのメリット
では、なぜ物流代行サービスを使用する企業が増えてきているのかを解説していきます。
メリット1:物流以外の業務に注力できる
物流業務を自社から切り離すことによって、物流以外の「商品開発」「マーケティング」などの業務にリソースを投下できることが挙げられます。
お客様に商品をお届けするためには欠かせない物流業務ですが、「速く・正しく・無事に届ける」ということが求められる分野なので、保守運用に近い業務と言えます。
そのため、運用であれば専門の業者に委託し、浮いたリソースで「プラスを作る」業務に集中させようと考える企業が増えていると考えられます。
メリット2:コストを抑えながら、一時的な出荷増減に対応できる
一時的に出荷が多くなっても、自社に人員を増やすことなく出荷業務を行えるというメリットがあります。
こちらは特に、お歳暮などのギフト商材や、ハロウィンなどのイベント商材を扱っている企業に利点となるでしょう。先に挙げたような業界では、お客様からの注文が特定の時期に偏るため、自社発送を行うには一時的に人員を増やすか、定常的に多めに人を確保しておく必要があります。
しかし、物流代行を利用することで、出荷増減による人員配置を考えずに発送業務を行うことができるので、必要最小限のコストで対応が可能となります。
物流代行を取り入れるべき人はこんな人
商品発送業務でリソースが取られ、本来注力したい領域に人員を割けていない企業や、季節商材を扱っている企業は、物流代行サービスを取り入れるのに適していると言えるでしょう。
物流代行サービスのデメリット
一方で、物流代行サービスを利用することによるデメリットも、検討材料として把握しておきたいところですよね。
デメリット1:自社配送よりも柔軟性が低い
デメリットの1つ目としては、配送に置いて柔軟な対応が難しくなることが挙げられます。
自社で梱包を行なっている場合であれば、ラッピングやメッセージカード、おまけをつける、などといった運用が可能ですが、物流代行サービスの場合、そこまで柔軟に対応してもらえないケースが多いです。
そのため、お客様にお届けしたい形で商品を届けられない可能性が出てきます。
デメリット2:物流代行サービスではカバーできない業務がある
2つ目のデメリットは、物流代行業者にアウトソーシングを行なったとしても、自社で対応すべき配送に関する業務がまだ存在します。
例えば、受注後の入金確認や在庫管理、送り状の印刷をなどは、物流代行サービスを導入してもなお、自社内で対応する必要があります。
どこの物流代行サービスを利用するか検討する軸
物流代行サービスといってもたくさんの業者があり、どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
そこで、どの物流代行サービスを利用するか検討する時に考えた方がよい6つの問いをご紹介していきます。
1:物流代行サービスを利用すれば、本当にコストを抑えられるか?
当たり前のことではありますが、物流代行サービスを検討する際には、実際に見積もりを取り寄せることをおすすめします。業者によっては、自分たちで出荷した方が安くなる場合もありますので、複数のサービスを比較して、自社の理想とする価格帯にあったものを選ぶようにしましょう。
2:商品やオプションに合わせた柔軟な対応をしてもらえるか?
物流代行サービスの利用を考えている方の中には、商品ごとにパンフレットを入れたり、おまけをつけたり、ラッピングをしたり、といった対応を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サービスによってピッキングや荷造りの柔軟性はかなり異なります。そのため、自社で行なっているオプション対応などを、代行業者が対応してくれるかが、どの物流代行サービスを利用するか比較する際にに重要です。
3:誤出荷をどれくらい防げているか?
物流代行サービスを利用することで誤出荷が増えてしまっては、アウトソーシングする意味がありませんよね。そのため、誤出荷の割合が低いサービスや、誤出荷を防ぐためのシステム投資をしているサービスを選ぶことが必要です。
4:キャンペーンなどで一時的な「大量出荷」にも対応してもらえるか?
事業成長に合わせたマーケティング施策で、SNS・デジタル広告などを使って、キャンペーンを実施した際に、一時的に大量出荷しなければならない時もありますよね。
このような一時的な大量出荷が必要な時も、柔軟に対応してもらえるかも検討段階で確認しておきましょう。
5:問合せしたら迅速に対応してくれるなどサポート体制が整備されているか?
物流代行サービスだけに限らず、どの企業にも求められることではありますが、やはり物流代行サービスでも、問合せ・オーダーメイドなど、サポートが必要な際にどこまで丁寧に・親切に・迅速に対応してもらえるかも確認しておきましょう。
Webサイトや資料では、よさそうにみえたサービスでも、サポート体制が整備されてなくて、コミュニケーションコストが尋常じゃなくなる時もあったり……。
6:商談時に依頼主が考えきれていない点の提案までしてくれるか?
かなり定性的な話になってしまいますが、打ち合わせの際に、依頼主が考え切れていなかったことについても、ヒアリングしてくれたり、ソリューションを提案してくれたりしてくれたかも検討材料になります。
お客様におもてなししたい気持ちの有無や日頃の仕事の質にも関係してくるため、念のため見ておくのもよいでしょう。
物流代行サービスを利用するまでの主な流れ
物流代行サービスのメリット・デメリットや選ぶ軸が分かったら、次に「実際どうやってはじめればいいんだろう」ということが気になってくると思います。
サービス導入のために必要なステップは、大まかに下記のようになります。
なお、導入サービス決定後のスピード感は選定サービスによって異なります。導入を始めたい時期が決まっている場合は、見積もりの際に導入時期についても提案をもらうことがおすすめです。
時代は物流代行サービスでの出荷から「自動出荷」へ
ここまで「物流代行サービス」について解説してきましたが、最近ではさらに広範囲の業務を行なってもらえる「自動出荷サービス」が出てきていることをご存知でしょうか?
EC業界で注目されている自動出荷とは(物流代行との比較)
自動出荷とは、在庫保管・商品の配送のみではなく、ECサイトから注文が入った後の業務を全て自動化することが可能なサービスです。
自動出荷を利用することで、「デメリット2」で挙げたような物流代行サービスの利用では自社で受け持つしかない業務も手放すことができ、より商品開発やマーケティング業務にかけられる人員を増やすことができます。
一般的な自社出荷・外部委託(物流代行)と自動出荷の業務プロセスの違いはこちらの資料で詳しく解説しています。
物流代行システムLOGILESSには自動出荷に必要な機能がすべて揃っています
私たちが提供しているLOGILESSは、上述したような「自動出荷」を実現させるための物流代行システムです。
業務フロー全体を管理できるシステムとそのシステムが使える物流倉庫をセットで利用することで「自動出荷」が可能となります。
つまり、受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)の一体型システムです。
物流倉庫をお探しの方には、LOGILESSが事業規模や商材に応じて適切な外部パートナーをご紹介させていただくことも可能。
LOGILESSでは、物流代行システムのことがよくわかる概要資料をご用意しています。物流代行サービスよりもさらに業務の効率化が可能となる「自動出荷」の詳細が気になる方は、ぜひダウンロードしてくださいね。